こんなことがありました。
家に一人でいると“ピンポーン”と誰かが来たのです。
こういっては何ですが昼間の訪問者は喜ばしくない方が多いので『めんどくさいなぁ。。。』と思いながらドアを開けました。
そこには小学生の女の子が二人立っていました。
同じアパートに小学生がいるのでそのお宅と間違っているのだろうと思いつつ
「こんにちは・・・?」
と言ってみました。
すると女の子たちは、
「すみません。自転車の回るところが取れちゃったんですけど直してもらえませんか!?」
と言うのです。
『それってチェーンのことだよね?私直せないけど・・・』
と思いながら、このまま追い返すのもかわいそうなので
「そうなんだぁ。ところでおうちはどこ?」
と聞くと私の家から歩いて10分ほどの場所で二人とも両親は不在の様子。
とりあえず、自転車を見ることにし現場へ行ってみました。
(現場って、家の前の歩道なんですけどね)
見るとやっぱりチェーンが外れていました。
しかも外れただけでなく、がっちりと挟み込まれているのでチェーン自体を動かしてみることもできず・・・
どうやらその女の子たちも必死で直そうとしたようで手が真っ黒。
何とかしてあげたい。
でも私には無理、ごめん。
さてどうするか?
さらに近所の誰かを呼びに行くか、近くの自転車屋に持っていくか、家まで送ってあげるか・・・???
いろいろと考えていると歩道を歩くおじさんがいたのです!
おじさんも異変に気づいたようで(しかもチェーンが外れたとわかったようです)
「どうしたの?直せたの?」
と話しかけてくれたのです。
救世主現る!!「私には無理な様で。。。直せますか!?お願いします。」
とお願いするとおじさんは
「どれ、ちょっと見てみるか。あんたたち軍手もしないで、みんな手が真っ黒じゃん」
と軍手をはめだしたのです。
『ああ、おじさんがんばって』
心の中で応援です。
おじさんは女の子が手を出しそうになると
「挟んで怪我したらいけないから、手は出すなよ」
「ギアをちょっと入れてみて」
「いつもと同じようにまわして」
などなど言いながら5分くらいで直してくれたのです。
結局私は何の役にも立たず。。。
『おじさんすごいなー頼れるなー』
と思っていると、女の子たちも同じように思ったみたいで
「大人ってすごいねー!!」と二人で興奮している様子。
・・・・・・ああ、女の子たちよ。
どうかその“大人”の中から私をはずしてください。。。
だって私は見ていただけ。
無力な大人もいるんです。
ここに。
それから3人でおじさんにお礼を言うと、おじさんは笑って去って行きました。
残った私たちは前半の奮闘により、手が真っ黒だったので
「私の家で手を洗っていけば?」
と声をかけました。
ですが。。。
「いいえ、大丈夫です。ありがとうございました。」
とあっさりと断られました。
せめて手ぐらい洗ってくれたら私もほんの少しだけど役に立てたのに。。。
女の子たちは楽しそうに自転車に乗って行ってしまいました。
おしまい。
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